「とよひかり」という屋号


東京から南西へ1283㎞の所に

奄美大島の宇検村という14つの集落から成る村があり、

そこには1800人程の村人が日々の生活を送っていて、

この物語もそんな宇検村が主な舞台である。

 

舞台となる宇検村には大小様々な、シマと呼ばれる集落があり、

人口が400人を越える大きなシマもあれば、40人を切るシマもあり、

集落によって異なる特色が存在することがこの村の自慢であったりする。

 

そんな宇検村に、店主がお世話になりはじめて早一年が過ぎ、

珈琲がとにかく好きな店主が、お店の屋号として選んだこの言葉は

そんな宇検村への想いがそもそものはじまり。

 

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宇検村=14集落

この14つの集落があるからこそ、宇検村がある。

このゆるぎない14つの集落の大切さがいつまでも、続いてほしい。

ここに来て一年が経ち、自然とそう思うようになった。

 

「とよひかり」という言葉に出会ったのも、

そう思いはじめたことがきっかけなのかもしれない。

集落の数である14という数字は「ト・ヨ」と読むことができ、

「トヨ」という文字は「豊」かさにも繋がる。

 

また、14という数字は7の倍数であり、

7という数字が使われた「七光り」という言葉があるが、

これは子が「親の七光り」を浴び、

良くも悪くも親の影響を受けている様を表している。

 

宇検村の子どもの場合、

親に加えて集落の影響というか、集落の人たちに見守られ

育っていく。

その様は、まるで子どもたちにとって温かい「光」だなぁと。

14集落にある温かい光。

そんな光を「とよひかり」と呼びたくなったのだ。

 

宇検村がこれからも14集落でありますように。と、

そして、「とよひかり」を浴びながら育ち、

いつか旅立ってゆく子どもたちが、

そのまたいつか、懐かしく里帰りができる村であるようにと、

その時は、とよひかり珈琲店で淹れたての珈琲を飲みながら、

子どもの頃に過ごしたシマでの日々に想いを馳せてほしい。

 

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そんな店主の勝手な願いである。