人生の交差点。
振り返れば、
一年というのはあっという間かもしれない。
2019年も気が付けば、
五か月が過ぎようとしている。
しかし、そのあっという間の一年も時として、
一日一日が信じがたいほどに長く感じられ、
日々の心情の波の激しさに
押しつぶされそうな日が続くと、
正に絶望という言葉が
重く肩に圧し掛かるのである。
そういった日々に限って、
なぜだか自身の気分に反して空は晴れ渡り、
木陰で吹く風は梅雨明けのように爽快で、
改めて世界は
自分中心で回っているのではないなと、
ほんの少しの寂しさを残し、
何かが吹っ切れたような安堵感に包まれた。
とよひかり珈琲店も気が付けば
オープンから1年半が過ぎたが、
まだまだ理想というか
想い描く姿には辿り着くことはできていない。
それでも、日々色々な方が訪れ、
珈琲や会話を楽しみ、
時には珈琲豆を自宅用や贈り物用にと
買っていただく機会は断然に増え、
有難い限りである。
この場所がなければ
出会わなかったであろう人がおり、
この場所がなければ
知り得ることがなかっただろう日々がある、
それは店主だけでなく訪れる人にとってもである。
ほんの一杯のコーヒーを通じて、
垣間見えるその人の人生という生き方の一部は、
いち友人として知り合い
語り合う時間とは一味違った、
不思議な感覚を店主に味合わせてくれる時があり、
それが近ごろの楽しみであったりする。
人の人生が交差する場所、
そんな場所になりたいと思い、
少しだけ近づけた気がするからだ。