タイムカプセルコーヒープロジェクト。

 

好きなこと

興味があることに関して

とことん追究してしまうのも、

ここ、とよひかり珈琲店の店主の人間性。

 

そういうことが

少なからずのきっかけではじまった、

国産コーヒー豆の栽培である。

 

でも、ただ栽培するだけでは

あまり面白くない。

 

せっかくのチャンスを、

誰かと楽しめる方法はないかと

思案している時に思いついたのが、

タイムカプセルコーヒープロジェクトである。

 

宇検村内に住む中学校3年生と、

その保護者の方々が、

このプロジェクトの対象者で、

とよひかり珈琲農園の畑に、

コーヒーの木の苗木を植樹するという、

 

とてもシンプルなプロジェクト。

 

 

対象がこの方々というのが、

実はこのプロジェクトの鍵で、

ここ、奄美大島の宇検村という村には、

教育機関が中学校までしかなく、

中学校を卒業すると

ほとんどの生徒が、

村外、または島外にある高校へ

進学の道を選び、

半自動的に、

生まれ育った場所から

巣立っていく。

 

店主の生まれ育った

大阪のわりかし都会では

中々経験できない、

稀な環境であるが、

 

シマでは、当たり前のことで

だけれど、その当たり前が

少しずつ、シマを過疎化に

近付けてしまっている。

 

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それでも、

暗いことばかりを言ってばかりより、

今、自分たちでできることをしよう。

 

「ふるさと教育」という

大層なことではないけれど、

シマを巣立っていった子ども達が

「ふるさとを想う」きっかけになればと、

 

もしかしたら、

見送る立場としてできることがあるとすれば、

これかもしれないと思ったのだ。

 

コーヒーの木は植えてから

順調に育てば3〜5年で実が成る。

 

なので、

中学校を卒業する15歳の時に植えると、

5年後に成人式を迎える頃、

その実を収穫できるという算段だ。

 

そして上手くいけば、

成人式で帰省する時に、

それを飲める。

 

そんな少しばかりのロマンが、

店主の頭をよぎった。

 

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とは言っても、

店主がコーヒーを

美味しく飲めるようになったのも

20歳を過ぎて

しばらくしてからなので、

成人を迎えたばかりの年齢で、

コーヒーを「美味しい」と飲めるかは、

わからない。

 

感想は「苦くて、美味しくない。」

かもしれないけれど、

次第に飲めるようになっていくであろう

コーヒーという飲み物。

 

 

それを自分たちは植えたんだ。と、

いつの日か誇りに思ってもらえたら、

植えてもらった

コーヒーの木も

一味も

二味も違った

特別な味になるだろう。

 

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店主としても、

この植えられたコーヒーの木を

これから巣立っていく子ども達に

いつの日か

一杯の珈琲として

飲んでもらえるよう、

意地でも守り抜く。

 

その新たな目標と決心を

作ってくれたことに、

ただただ感謝である。