赤色の宝石。

 

横枝を右に左に後ろに前に

スーッと伸ばすコーヒーの木。

 

その横枝に沿って実る、

赤くて鮮やかなコーヒーの実。

 

ここ宇検村では

12月頃から3月頃までの間に

少しずつ緑色から

赤色へと熟したコーヒーの実が

実るようだ。

 

 

少しずつ進めている

とよひかり珈琲農園(仮)では、

これから植樹が始まるので、

まだ果実を実らせることも遠い

先の

またその先のお話。

 

今日のお話は、

それより一足も二足も早く、

今から20年近く前に

植えられた

宇検村のとある集落の

コーヒーの木のお話です。

 

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卒業の記念にと贈られた

コーヒーの木は

家の庭先に植えられて、

すくすくと育ち、

20年以上経った今でも

赤く艶やかな実を実らせ、

まるで、

この日の収穫を待っていたように

綺麗だった。

 

バケツいっぱいほどのコーヒーの実・・・

とは、ならななかったけれど、

一粒の赤い実が

何十粒と集まると、

その輝きはさらに増した。

 

 

一通りを収穫したあと、

特段に綺麗に熟した実を

数粒選び、軽く水で洗った。

 

そして、

その日に集まってくれた人たちと、

如何なる味かと、

一粒つまんで

まずは実ごと食べてみた。

 

どこか遠くに甘い味と、

その後すぐに来る

青臭い味が

「ふむふむ・・・」と、

何とも言い難い感想を

吐き出させる。

 

結論は、

そのままで食べるものではない。

 

なんとなく分かってはいたが、

それが確信に変わっただけでも

大変貴重な経験である。

 

その遠くにある甘さと

青臭さの正体は、

少しばかりヌルッとした

ゼリーとも呼べない

コーヒーの木の果肉で、

その中にあるのが、

のちに

コーヒー豆と呼ばれるようになる

コーヒーの木の

「種子」である。

 

この種子の状態のものを

精製の工程にかけることで、

ようやく

コーヒー生豆となる。

 

そして、現在

今回収穫したコーヒーの実の一部が

精製の工程にかけられている最中で、

それ以外の種子は、

コーヒーの木に育つよう、

願いを込めて、

苗ポッドに播種をした。

 

本来であれば、

果肉を剥いた状態の種子を

一晩水につけてから播種した方が

発芽率が高いと

言われている中、

今回は実験として、

剥いた直後に播種をした。

 

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さて、見事発芽をしてくれるのか、

その答えが分かるのは

2〜3ヶ月後の

4月に入ってからだろう。

 

忘れた頃に

ひょっこりと

顔を出してくれる日を楽しみに

新たな珈琲物語がはじまった。